ユキの受難      森ユキの場合  
橙フン★番外編 

2008/09/1   紗月さま

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注意!!

このお話は、おふざけ部分が非常に多いので、
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 生活班長・森ユキは、乗組員の日常生活にまで気を配っていた。
地球を離れ、太陽系を離れ、ホームシックに罹る者が増えてきたから尚更である。
イメージルームでの治療は、初期であるほど効果が期待でき、末期になるとかえって悪影響が出ることさえあった。

 何気ない素振りからでも体調の変化や心境を見抜けるように。

ユキの仕事もまた、忙しく、重要なのである。
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 そのユキの観察眼から見て、どうも最近の徳川機関長は様子がおかしかった。
機関室にいる時の精悍な様子には変化が無いが、食堂やラウンジだとぼんやりしていることが多い。
時々真田志郎を見てはため息をついているようだ。何か相談したいことがあるのだろうか。
 徳川はヤマトの乗組員の中でも高齢である。  沖田艦長とは幾度も艦を共にし、戦火をくぐった仲だと聞くが、沖田は艦長室にいることが多いので、  ヤマト出撃後はあまり行き来がないように見える。  となると、次に話しやすいのは歳が近く(とはいえ、かなり隔たってはいるが)、  同じ班長職にある真田ということになるのではないか。

 一度面談してみよう。

そう思ったユキは、食堂から部屋に戻ろうとした徳川に声をかけた。
「機関長……」
心なしか肩を落とし、とぼとぼと歩いていた徳川は、その声にびくりとして振り向く。
「何か悩みごとがあるんじゃありませんか? 私でよければ、お話を伺いますよ」
疲れている者に負担をかけないように、ゆっくりと。その声は柔らかくやさしい。
「ユキ……!」
一瞬後、徳川は強い力でユキの腕をつかむと、「来てくれ!」と引きずるように早足で歩き出した。
「ちょ、ちょっと機関長!? 何をするんですかっ!」
ユキの緊迫した声に、近くにいた乗組員はいっせいに注目し、ユキの一大事とあとを追いかける。 一番近くにいた乗組員がもう少しで追いつくというところで、徳川は自室にユキを連れ込み、内側から鍵をかけてしまった。
 慌てたのは目撃した乗組員たちである。
 
ユキが、危ない。

そう思うのは当然だ。だが、扉は硬く閉ざされ、いくらノックしても開けてくれる気配は無い。
「おい! このままだと手遅れになるかもしれないぞ! すぐに古代を呼べっ!!」
一同の頭の中には、艦内服をむしりとられるユキの姿――。
生唾がこみ上げるが、なんとしてもユキを徳川に独り占めさせるわけにはいかない。 年寄りだと油断していたが、先を越されるとは。
(おいおい・笑)
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 「機関長! 落ち着いてください!! お話はちゃんと伺いますから」
 
じりじりと壁に追い詰められながらも、ユキは平静を装う。 少しでも時間を稼げば、誰かが助けに来てくれる。そう、きっと古代くんが助けに来てくれるわ。 と祈るような気持ちだった。 そんなユキの気持ちなど気にすることなく、徳川はいきなり艦内服の上着を捲り上げると、ズボンのベルトに手をかけた。
「ユキ、これを見てくれ!」
すばやい動作でベルトをはずし、ユキの目の前でズボンをずり下げたのだった。

「嫌〜〜〜〜〜ぁっ!」
ヤマト艦内に響き渡る乙女の悲鳴。
駆けつけた古代進は、体中の血液が沸騰したような気がした。
ユキの名を叫びながら扉に体当たりをするが、堅固な扉はびくともしなかった。
「ダメだっ! 誰か沖田艦長にマスターキーをもらって来い!!」
ユキ、ユキっ! ユキーーーーっ!

 「ユキ、頼むから見てくれ」

懇願するような徳川の声に、ユキは顔を覆った自分の手をそっとどかしてみた。
指の隙間から、その声の通りに悲しげな徳川の顔が見える。
視線を下へ落としていくと、その股間にはかわいい金魚の刺繍のあるオレンジ色のふんどし――。
「支給品の下着はダメなんじゃ。わしはこれでないと落ち着かないんじゃよ」
真田くんに頼んで、艦内工場で生産してくれるように頼んだのじゃが、わし一人のために狭い工場を使うことは出来ないと断られてしまった。
機関室はどんなに冷房をしても温度が高くなる。汗もかく。だが、わしには着替えが足りんのじゃ。
ユキ、頼むユキ。なんとかならんじゃろうか。

よく見れば、両腿の付け根に汗疹(あせも)のような発疹がある。オレンジ色はもうかなり撚れており、薄汚れているようだった。
そういえば、徳川の身上書にはふんどし愛用と書いてあった。
乗艦後の要望調査書にも下着の支給にふんどしを加えて欲しいと書かれていたではないか。 忙しさのあまり、すっかり忘れていたユキのミスだった。

「機関長。気がつかなくてごめんなさい」
ユキはそっと徳川の手を取った。
「乗組員の衛生管理も私の仕事です。下着が薄汚れていては、士気も落ちますよね。すぐに生活班員に命じて縫わせましょう」
「おお! ユキ!! わしには君が女神に見えるよ」
機関長は一筋、美しい涙を見せるとズボンを履き、ユキを扉へ誘った。
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うわーーーーっ!

扉が開いた瞬間、部屋になだれ込む乗組員たち。その中にはもちろん古代の姿もあった。
「ユキ! 無事だったか!」しがみつき、抱きしめ、その頭を抱えて愛しそうに撫でさする。
しかし次の瞬間、古代の身体は廊下の壁まで吹っ飛んでいた。

バシーン!

「何するのよ! 古代くんのエッチ!!」


ユキはぷんぷんと後ろも見ずに去ってゆく。
呆然と残された男たちに、「女一人に寄ってたかって、お前たち弛んでるぞ!!」
と、徳川の檄が飛んだ。

(fin)
お読みいただき、ありがとうございます。

あの 三日月小箱・オーナーの紗月さまより、いただいてしまいました♥
何度読んでも… ぷぷぷ(笑)。おもしろいです〜
詳細は ブログで説明させていただきました。
(よろしければ、お読みくださいませ)
ねーさま、ありがとうございます♪ 幸せ… 瑞喜



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